解説部活動エトセトラ

解説部員は、「作品解説」(ギャラリー・ツアー)と「ARS」(アート・レファレンス・サービス)の活動にたずさわります。その活動を支えるためにつぎのような研修などを行っています。


*専門研修
 解説部は解説担当部員と、ARS専従部員とで構成されており、「美術講座」修了者のうちから、解説部ボランティアを希望される方は半年間の専門研修を受ける必要があります。

    解説担当専門研修では、北海道の美術、エコール・ド・パリ、日本画、ガラスなど各ジャンルをカリキュラムにしたがい段階を踏みながら、30分間のギャラリー・ツアーができるよう研修を行います。一週間前に渡された資料をもとに、シナリオを作成・暗記して研修の場で発表します。


 シナリオ発表後、解説の意義や基本、シナリオの内容、話し方、誘導の方法などを身につけていきます。研修後半には、展示室内での実践的な研修を行い、最後に学芸による審査を受けます。その後、三岸好太郎美術館・ARSでの研修を経て、新年度から活動します。

 ARS専従専門研修では、館内施設の把握、所蔵作品についての知識、接客の心得・応対の仕方、また閲覧図書の整理と修復・管理など幅広い内容の研修を行います。
写真は、図録などの図書にビニールカバーをする研修の様子です。


*展示替えガイダンス
 展覧会の開催前に担当学芸員から、テーマの趣旨、時代背景、作品・作家・技法などについてガイダンスを受けます。



(映像で作品を確認しながら学芸員の話に聴き入る解説部員)





 資料班では、学芸員から提供されたガイダンス資料を印刷します。→
 


*資料管理
 解説部に入部した新人は資料班に所属し、資料の整理・管理にあたります。


← 収集された資料をジャンル・作家別に整理します。




         

展覧会の作品リストに基づき資料を選び出します。





   


*模擬ツアー
 展示が始まって10日目ころに、担当学芸員立会いのもと解説部員の前で実際のギャラリー・ツアーと同じように解説をする「模擬ツアー」を行います。


展示室では、解説の内容、話し方、誘導の仕方などのチェックを学芸員から受けます。



模擬ツアー終了後、学芸員から講評を受けます。注意事項、質問などにより解説部員全員が共通認識のもと、より良い解説を目指します。







*解説部内研修
 解説部内では、部内研修班が企画するさまざまな「部内研修」を行っています。


学芸員の講演、作家本人による講演のほか、版画・ガラス工房の見学なども行っています。
写真はガラス工房見学の様子です。見学後、作家本人から技法などの説明を受けました。


毎年1月には、美術評論家、作家などさまざま分野の講師を迎え「新年特別研修会」を開催しています。




*三岸勉強会
 三岸好太郎美術館では258点(2021年1月現在)の所蔵作品を中心に、年4~5回の所蔵品展及び特別展を開催しています。展示替えごとに学芸員立会いのもと解説部員の前で作品解説などを行っています。


  解説部員による作品解説の様子です。




作品解説の終了後、学芸員からテーマの趣旨、時代背景、作品などの説明とともに疑問点などの意見交換を行う勉強会を行っています。


*その他の研修・活動

 [目の不自由な方のための研修]
 毎年視覚障がい者のために、解説部で作成した手引書「ぷろむなーど」をもとに実技を交えた研修、講演会などを行っています。


[団体ツアー]
 定時解説のほかにあらかじめ予約のあった団体に対してギャラリー・ツアーを行っています。
小・中学生、高校生、大学生、高齢者のグループなどさまざまな団体があります。後日寄せ書きや礼状をいただくことがあり、解説部員の励みになっています。
[ぐるっと三館鑑賞ツアー]
 平成23年4月から近代美術館と三岸好太郎美術館の運営が一体化されたことを記念して、毎年両美術館の作品鑑賞と知事公館の見学を加えた「ぐるっと三館鑑賞ツアー」が行われています。解説部では美術館の作品解説・おもてなしなどを担当し、美術館あげての行事に参加しています。